未曾有の大作 2000年の英語の歴史が今、新たな興奮を呼ぶ
ストーリー オブ イングリッシュ DVD[日本語版・英語版]
THE STORY OF ENGLISH
- 規 格: DVD(日本語版[モノラル]または英語版)全9巻 各巻45分
- 制 作: BBC オリジナル制作年 1986年 DVD版 2006年
- 本体価格: 9巻セット 360,000円 分売各巻 40,000円
- 注文番号: MP-0601(日本語版) MP-0601E(英語版)
北西ヨーロッパの少数民族の言葉にすぎなかった英語が、2000年を経た今日10人にひとりにとっての母国語となり、英語人口10億を数えるまでの国際語に発展した。
この9巻シリーズは、Civilisation, The Ascent of Man,The Body in Question, Life on
Earthに続いて送る大作で、BBCの調査力と探訪力を駆使して制作された。
アメリカ、イギリス、アイルランド、カナダ、オーストラリア、インド、アフリカ、カリブ海、パプアニューギニア、シンガポールと5大陸にロケし、肉声を採録し、英語を使う人びとの生活をカメラにおさめ、生きた英語の現状を映像化したものである。
英語は、敵対語を吸収同化し、多数の変種を生みながらたくましく版図を広げてきた。その世界征服史に、地理、文化、政治といったあらゆる側面から考察を加えるのがこのシリーズである。
アングロ・サクソン人が話していた英語、チョーサーやシェイクスピアの英語、新世界への進出、黒人英語を含むアメリカ英語の発達、スコットランド、アイルランド、カナダでの英語、海洋貿易が育てたピジン英語、専門用語など、その起源から国際コミュニケーションの立役者になるまでの変遷をみていく。さらに、その多様性から英語の未来像を描く。
●制作・演出: ウイリアム・クラン William Cran
1968年にオックスフォード大学を卒業し、BBCに入り『カレント・アフェアーズ』を担当する。その後も、トロントのCBC、ボストンのWGBH、PBSなどで数々の番組制作に携わり、一貫してドキュメント畑で活躍してきた。1981年エミー賞を受賞している。
●原案・著作: ロバート・マクラム Robert McCrum
1975年にケンブリッジを卒業した後、ペンシルバニア、プリンストンその他の大学で研究活動を行う。英語圏諸国を広く旅行し、数々の著書をなし、編集もこなす。
●ナレーター・案内役: ロバート・マクニール Robert MacNeil
カナダ生まれ。ニュース番組のレポーター、アンカーマンとしてよく知られ、BBCでもドキュメント番組『パノラマ』を8年間担当した。
このシリーズに含まれる巻
1.千年の歴史と五大陸への展開
AN ENGLISH SPEAKING WORLD
導入編として、英語を話す様ざまな民族とその歴史的な背景をみながら、英語圏の広がりを概観する。言語の進化に影響を及ぼすのは辞書でも文法でも文学作品でもない。むしろスラングや街での立ち話し、大衆演芸や風刺劇、コメディーであるとし、大勢の普通の人びとが登場する。
2.異文化との出合い
THE MOTHER TONGUE
アングロ・サクソン人、バイキング、ノルマン人が英語の形成にもたらした影響、およびキリスト教の到来に伴ってのラテン語やギリシャ語との融合、芸術、学問、医学、法律、行政など広分野にわたって一万語もの新語を送り込んだフランス語との関わりをみていく。
3.シェイクスピアの時代
A MUSE OF FIRE
専門家の協力を得て、シェイクスピア英語の豊かな語彙を注解し、当時の話し言葉のなごりをとどめるストラトフォード周辺の村々を訪ねる。また、初の公文書製作の大事業であった欽定英訳聖書ができるまでを紹介する。
4.スコットランド人海を渡る
THE GUID SCOTS TONGUE
大西洋を越えて新世界へ渡ったスコットランド人は、英語の版図を拡げる役割を担うことになる。アパラチア特有の表現がスコットランドの山男たちのホラ話に由来することや、彼らのアクセントがアメリカの、いわゆる「サンベルト」一帯に広がっていることをつきとめる。
5.黒人たちの英語
BLACK ON WHITE
25万の黒人が住むジョージア州シー諸島を訪れ、300年来変わらないガラ英語を話す人びとを取材し、西アフリカでのピジン英語の成り立ちとクリオール英語の発達を辿る。また20・30年代にジャズ界で流行した黒人英語のキャッチワードをとりあげ、今日への影響をみていく。
6.開拓者のアメリカ
PIONEERS! O PIONEERS!
19世紀に入りゴールド・ラッシュ絡みのスラングが流行し、スペイン語圏や北米インディアンとの交流から混合英語も広まった。また、大陸横断鉄道の完成は鉄道に因んだ表現の数々を生んだ。押し寄せる移民の波がもたらしたヨーロッパ各国からの流入語についても言及する。
7.大英帝国の遺産
THE MUVVER TONGUE
ロンドンではイーストエンドに追いやられたコクトー(下町訛)は、植民地英語としてニュージーランドや南アフリカ、フォークランドに根づいた。ここではとくにオーストラリア英語をとりあげ、アボリジニの言葉が及ぼした影響や、国民意識の高揚との関わりをみていく。
8.武器としてのアイルランド語
THE LOADED WEAPON
多くの文学者を排出し、日常会話も詩的なアイルランド英語は「饒舌者の言葉」と呼ばれる。ここでは、ヨーク州にあるブラーニー城にまつわる逸話を紹介し、西インド諸島のモントセラト島を取材する。また、政治状況を反映する、武器としてのアイルランド語も考える。
9.英語の未来
THE EMPIRE STRIKES BACK
本シリーズは、「地球語としての英語の将来は、各地方における多様化と標準英語の形成というふたつのレベルで考えられる」という見解で締めくくられる。そして、「新しい英語」の代表として、ジャマイカのクリオール語と、独自な発展が見込まれるインド英語をとりあげる。